2.住まい

ここからは、「僕が行く前に気になっていたことが実際の渡航の中でどうだったか」ということをテーマにして、各トピックごとに振り返っていきます。

まず一つ目のトピックは、僕が向こうで生活していた住居についてです。
僕はモントリオールで生活していた1年8ヶ月の間で3回の引越しをし、計4箇所で生活しました。
その一つ一つを紐解いていきます。

1件目/ マダガスカル人の家族とのホームステイ(1ヶ月)
月/ $800 朝夕食付き

1件目は、僕が通って居た現地の語学学校に手配してもらったホームステイです。

僕が渡航した時期がクリスマス直前だったことが幸いして、ホストファミリーとクリスマスを過ごすことができました。
クリスマスの夜には教会に連れて行ってもらったり、年末年始の家族の集まった食事会にも参列させてもらいました。
大人数での食事はとても楽しく、「現地の家族はこういう感じなのか」と実感することが多かったです。

2件目/ 日本人ルームメイト達とのルームシェア(3ヶ月)
月/ $460 光熱費,wifi込み

ベトナム人のVanさんという人と出会い、彼の住むフラットで生活していました。
Vanさんは僕のようにワーキングホリデーで来ている日本人と常にルームシェアをしているオーナーでした。
彼が日本好きなことと、節度を守ってくれる日本人がルームメイトとして生活しやすいのが理由でそうなったそうです。

ここではVanさんの他に20代前半の男の子と18歳の女の子と生活していました。
少しずつ年齢の違う彼らとの会話はとても楽しかったし、刺激的でした。

当時の僕は英語があまり分からなかったので、日本語だけで生活のできる環境は居心地が良く楽しかったのですが、「やっぱり日本人のいない環境で生活したい」と思い、インターネットの掲示板で引越し先を見付け、次の家へ移りました。

3件目/ 70代女性と50代男性とのルームシェア(4ヶ月)
月/ $360 光熱費,wifi込み

インターネットの掲示板で見つけた物件がこの部屋です。

この部屋のルームメイトは50代と70代ととても年上だったのですが、お互い仲が悪く、毎日キッチンで行われる大声での啀み合いに「嫌だなー」と思いながら耳を塞いで生活していました。
しかし、時々僕が作るカレーを美味しそうに食べる彼女の姿や、一時帰国した時に持ってきた箸と箸置きのお土産をとても大切そうに抱える彼。
そんな彼/彼女らの顔を見た瞬間は僕も少なからず幸せを感じていました。

さらにもう一点、僕にとってとても良かったのはSt. Joseph Oratoryという僕が大好きだった教会が走って5分ほどの距離にあったことです。
夜に眠れない時は高台にあるその教会まで走って、入り口まで階段を駆け上がりモントリオールの街を一望する。
昼間は人で賑わう観光名所も、夜に行けば僕以外に人気はありません。
そこからの夜景を眺めながら「こんなに素晴らしい景色を独り占めして良いのだろうか」という感動を行く度に受けていました。(写真:St. Joseph Oratoryから撮影した夕景)

4件目/ 同年代のカナディアン、イスラエル人とのルームシェア(1年)
月/ $275 光熱費,wifi別

良い面もありながら、数ヶ月生活していると「ここでずっと生活するのだろうか」という思いがまた僕の頭に浮かび始めます。

そうしていた頃、僕にBenというイスラエル人の友達ができました。
彼に引越し先を探していることを相談すると、彼も新しいルームメイトを探していると言うので、僕はすぐ3度目の引越しに踏み切りました。

写真は左からハロウィンにブラックリンク(?)のコスプレをしているカナディアンのAlex, 冬の家での勉強に行き詰まった僕、それとインスタントラーメンにうきうきしているBenです。

結果的にこれが最後の引越しとなり、僕はそれから丸1年ここで彼らとの生活を楽しみました。
キッチンで誰かが調理をしている時に3人で話をしたり、時にリビングでビールを飲みながらギターを弾いたり、たまにはみんなでゲームやチェスをしたり。
遠慮をする必要もなかったのでそれぞれの友達や彼女も自由に連れてきていました。

交通の便が良かったそれまでの家と異なりこの家は街に出るのに時間が掛かりましたが、彼らとの生活はそんな不便さを比較対象とさせないくらいに楽しく「住む環境はどこに住むかよりも誰と住むかが大切」ということを改めて感じさせてくれました。

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